田舎町で美容室を続けるには

年上の知人の女性は、中部地方のとある田舎町で美容師をしています。 最近還暦を迎えた彼女は、20代前半で結婚し、その後自宅を改装して 小さな美容室を開業しました。 田舎町で生まれ育った彼女ですが、若い時分からファッションに興味津々の人で、 都会から遊びに行った私がびっくりするほどでした。 そうした彼女が美容室を開いたというのは、さもありなんという感じでした。 美容師というと、都内に暮らす人間は、 つい大型店舗の美容師を連想しがちですが、 こうして一人で切り盛りする美容師という存在もやはりいて、 大型店舗に所属される美容師とは、 ちょっと性質も問われる資質も異なるように思います。 最近美容院では美容師と口を聞くのが面倒という客も増えた というニュースを耳にしましたが、 田舎町の美容師は、近所のニュースの中継地であるので、 髪を切ったり、染めたりという本来の技量の他に、 人との付き合い方が秀でていないと成り立たないのだろうなと感じます。 彼女はとても人当たり良く、明るさがあります。 もうかれこれ、30年以上も営業し続けているので、 そうした資質が十分だったのでしょう。 大宮光晶